米国株、急落 ダウ1175ドル安で史上最大の下げ幅、調整局面入りとの見方
2018/2/6 6:45
5日の米株式相場は急落した。ダウ工業株30種平均は大幅に続落し、前週末比1175ドル21セント(4.6%)安の2万4345ドル75セントと昨年12月8日以来ほぼ2カ月ぶりの安値で終えた。下げ幅は史上最大となり、指数の全構成銘柄が下げた。米長期金利の急速な上昇が投資家心理を冷やし、相対的に運用リスクが高い米株の持ち高を手じまう売りが膨らんだ。
ダウ平均は朝方から大幅に下げて始まった。米長期金利の指標である10年物国債利回りが5日未明に一時2.88%と前週末から水準を切り上げた。金利上昇で企業の資金調達コストが増すうえ、個人消費も抑制し米景気の足かせになるとの警戒感が広がった。投資家が運用リスクを回避する姿勢を急速に強めた。
9年近く続いた米株式相場の上昇が「調整局面に入った」との見方が広がり、幅広い銘柄に利益確定や手じまいの売りが膨らんだ。航空機のボーイングや建機のキャタピラーなどが下落した。前週末に発表した四半期決算で1株利益が予想に届かなかったうえ、原油価格が下落したのを受けシェブロンやエクソンモービルなどエネルギー株も大幅に下落した。
ダウ平均は一時43セント安と前週末の終値に迫る場面があった。もっとも、相場全体が上昇するほどの勢いが乏しかったため、午後に入ると改めて持ち高を手じまう目的の売りが加速した。一時は1597ドル安まで下げ幅を広げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も大幅に3日続落し、前週末比273.420ポイント(3.8%)安の6967.526と昨年12月29日以来ほぼ1カ月ぶりの安値で終えた。アルファベット(グーグル)やフェイスブック、アマゾン・ドット・コムなど主力株が軒並み売られた。
業種別S&P500種株価指数は全11業種が下落した。「ヘルスケア」「資本財・サービス」「エネルギー」「電気通信サービス」の下げがきつかった。
半導体のクアルコムが大幅安。同業のブロードコムが5日に買収価格を引き上げたが、これ以上の引き上げが見込めないとみた売りが優勢となった。米銀のウェルズ・ファーゴが急落。米連邦準備理事会(FRB)が前週末に過去の不正営業行為に対する処罰などを発表し、経営の先行き不透明感が意識された。製薬のブリストル・マイヤーズスクイブは朝方発表の決算が予想を上回ったが、相場全体の下げにつれ売りに押された。
アップルも朝高後に下げた。音楽配信サービスで競合するスポティファイ(スウェーデン)を抜く可能性があると伝わり、収益拡大への期待が買いを誘ったが続かなかった。